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欧州におけるワークシェアリングの実態
添加时间: 2019-7-20 14:24:23 来源: 作者: 点击数:117

                            

目次

はじめに 3

第1章 ワークシェアリングとは何か 5

第1節 これまでのワークシェアリングの議論 5

1.1 ワークシェアリングはいつ頃から問題となったのか 5

1.2 一九八〇年代に提起された「日本型ワークシェアリング」 7

1.3 再び脚光を浴びてきた今日の状況 9

第2節 ワークシェアリングの定義と類型 11

2.1 各機関はどういう定義をしているか 11

2.2 ワークシェアリングの類型 11

2.3 ワークシェアリングの選択 13

第2章  欧州におけるワークシェアリングの実態 15

第1節 オランダにおけるワークシェアリングについて 16

1.1 オランダにおけるワークシェアリング導入について 16

1.2 オランダの失業率が大幅に減少した要因 17

1.3 オランダにおける雇用制度の変化 18

第2節 フランスにおけるワークシェアリングについて 19

2.1 フランスにおけるワークシェアリングのはじまり 19

2.2 フランスにおけるワークシェアリングの経緯について 19

2.3 フランスにおけるワークシェアリング 20

第3節 ドイツにおけるワークシェアリングについて 21

3.1 ドイツにおける労働時間短縮について 21

3.2 ドイツにおけるワークシェアリングの事例 21

3.3 ドイツにおけるワークシェアリング 21

第3章 日本型ワークシェアリングの実態 23

第1節 日本の「ワークシェアリング論議」 23

1.1 論議の背景 23

1.2 労使における見解の相違と共通点 24

第2節 ワークシェアリングに向けた動き 30

2.1 自治体の動き 30

2.2  民間企業の動き 32

第4章 日本型ワークシェアリングの課題と展望 37

第1節 ワークシェアリング導入に当たっての課題 37

1.1 労使の合意形成と意識改革の必要性 37

1.2 労働生産性の向上 37

1.3 職種・仕事ごとの設定 38

1.4 処遇格差の解消 38

第2節 日本型ワークシェアリングの展望 39

2.1 日本人のいびつな働き方 39

2.2 雇用調整助成金にワークシェアリングを 40

2.3 正社員とパートタイマーの処遇格差を解消すべし 41

2.4 「世帯」ではなく「個人」を単位とする処遇へ 42

2.5 ライフステージに応じて働く仕組みづくり 43

2.6 日本におけるワークシェアリングの最近の動き 44

終章: 46

参考文献: 48

はじめに

 「景気は、急速な悪化が続いており、厳しい状況にある」

 厚生労働省は毎月、月例労働経済報告を作成し、発表しているが、平成21年4月の同報告書の書き出しは、上記のようなものであった。

 さらに、この報告書では、次のような厳しいトーンの言葉が並んでいる。

「企業収益は、きわめて大幅に減少している。設備投資は、減少している」。「雇用情勢は、急速に悪化しつつある」。「個人消費は緩やかに減少している」。

 また、同報告書では今後の先行きについて、「当面、悪化が続くとみられるものの、在庫調整が進展するにつれ、悪化のテンポが緩やかになっていくことが期待される」としながらも、生産活動がきわめて低い水準にあることから、雇用の大幅な調整を懸念している。

 アメリカの金融危機に始まった急激な景気悪化の影響を受けて、日本の雇用情勢は平成20年末から急速に悪化、派遣労働者など非正規社員の相次ぐ解雇など、大きな社会問題が頻発した。そしてその厳しい雇用情勢は今も続いている。

 雇用情勢を判断する手がかりとしては、おもに「失業率」と「有効求人倍率」が使われている。たとえば、島田隆司によれば、失業率は平成20年10月の3.8%から翌11月には4%台へと上昇し、さらに、平成21年2月には4.4%にも達した。

 一方、求職者に対する求人の比率を見る有効求人倍率も同じように、平成20年10月の0.8から急降下。翌21年2月には0.59となり、戦後最悪と言われた平成11年の0.48に接近しつつある

こうした大揺れの雇用情勢を背景として、再び登場したのが、ワークシェアリングという考え方である。ワークシェアリングは、平成11年-14年の景気後退期にも導入論が盛り上がったが 、実際に導入したのは数社程度で、その後の景気回復によっていつの間にか話題にのばらなくなった。その点、今回はトヨタ、日産など自動車産業をはじめ、日立製作所などの電機産業でも導入が相次ぐなど、前回とは状況が明らかに違う。

 まず、実施時期であるが、多くが1月から3月にかけてである。ワークシェアリングの実施時期は、生産調整との関係から業種・業態によってバラつきがある。次に、ワークシェアリングの対象者と実施内容であるが、対象者は生産部門だけでなく、事務系、技術系などの間接部門へも及んでいるのが特徴である。前回の景気後退期に実施した日野自動車の場合、対象者は一部の社員だけ、しかも、55歳の人事・庶務などの間接部門の非管理職に限定して行った点が話題になった。この点でも、今回のワークシェアリングは前回と比べて規模の大きさが違うことがわかる。

 本論文ではまずはじめにワークシェアリングの定義について述べ、ワークシェアリングの類型と選択方法についても説明する。そして日本におけるワークシェアリングの可能性と問題点について検討していくために、すでにワークシェアリングを導入しているオランダ、フランス、ドイツの事例を検討していく。最後に、ワークシェアリングを導入している日本企業の事例を見ながら、日本の企業がこれからワークシェアリングを導入するときのポイント及び留意点を検討していく。

第1章 ワークシェアリングとは何か

第1節 これまでのワークシェアリングの議論

1.1 ワークシェアリングはいつ頃から問題となったのか

① 労働時間と雇用の論争は新しいものではない

 ワークシェアリングとは、労働時間を短縮して雇用機会を維持・創出させることによって、雇用されている労働者と失業者あるいは雇用されていないものの間で、結果として仕事を分かち合うことである。では、ワークシェアリングは、いつ頃から大きな問題となってきたのであろうか。

 労働時間と雇用に関する論争は決して新しいものではなく、少なくとも一九三〇年代から、深刻な不況があったたびに、議論が行われてきたという。過去の歴史を見れば、産業革命によって飛躍的に生産性の向上が図られたが、それが労働時間の短縮に結びつくことによって失業の増大は抑えられてきたともいえる。しかも、高い経済成長を維持できたことで、労働時間短縮と雇用の増大は両立し得た。

 しかし、先進諸国の経済が成熟し、成長率が鈍化あるいはマイナスという局面が表れるようになった今日、労働時間と雇用の問題は新たな段階を迎えるに至った。コンピュータや高度情報通信技術の発達が新たな「産業革命」の到来を形作る一方で、新たな雇用機会をどのようにして生み出していくのか。そのシナリオと有効な政策手段は、まだ十分に明らかになっていない。したがって、労働時間短縮と雇用の確保・拡大を真剣に考えなければならない時代が到来した。

② 問題意識が先鋭化した一九八〇年代

 こうした問題意識は、一九八〇年代の欧州において先鋭化した。石油危機以降、世界的な規模で景気停滞が長期化する中で、失業率が急速に上昇して社会的な不安を高めるようになってきていた。各国政府とも、景気回復を図る財政・金融政策のみでなく、雇用の維持・創出を直接に図る政策手段を真剣に探し始めたのである。ここで、雇用政策としての労働時間短縮問題が急速に浮かびあがってきた。

 特に欧州諸国では、技能のレベルが低い若年者の雇用機会が減少し、その結果、景気の後退期には若年失業の急増が問題になってきた。このため、世帯間のワークシェアリングを行うという発想で、高齢者の早期引退政策が取り上げられた。具体政策は、各国の事情によってさまざまであるが、失業保険、障害年金・手当、老齢年金の早期支給、企業年金、離職一時金などにより生活が守られている。これは生涯の総労働時間を短縮することによって、とりわけ若年層の救済に焦点を当てたものである。しかし、失業の増大が現役世代を脅かす中では、より根本的に労働時間の短縮による雇用の増大を考えなければならなくなった。各国とも、こうした問題意識に立った政府の取組が同時に進められた。

③ 議論の焦点は「痛みの分かち合い」へ

 フランスでは、一九八〇年代初頭から、労働法の改正によって労使交渉を奨励して労働時間短縮を積極的に進めてきた。一九八二年には、法定労働時間を週四〇時間から三九時間へ短縮するなどの法改正が行われ、失業情勢の改善を目指した。その後も何回も法改正が行われ、二〇〇〇年一月から週三五時間制へ移行した。

 また、ドイツでは、すでに一九七〇年代後半から一向に改善しない失業情勢を背景にして、DGB(労働組合のナショナルセンター)がワークシェアリングを提唱し始めていた。とりわけ金属産業が中心になって、労働協約改定を通じった労働時間短縮への積極的な取り組みが始まった。一九八四年の協約交渉では、給与の減少を伴わない形で、従来の週四〇時間から週三八・五時間へ移行することが労使で合意された。その後九五年にはさらに週三五時間制が導入されている。時短の動きは他産業にも波及し、現在では全産業の平均で週三七時間程度にまで短縮されてきた。

 労働時間の短縮や調整が円滑に進むためには、生産性の向上が欠かせない。もし、生産性が逆に低下すれば、企業の競争力が低下し、一時的には雇用が維持できたとしても、中期的に見れば、雇用を縮小してしまうことになるかもしれない。このため、各国とも使用者側からは、労働時間短縮の行き過ぎが企業の活力を損なうとの反発があり、ワークシェアリングの具体化をめぐる交渉は難航してきた。とりわけ労働時間短縮の結果として賃金コストの上昇することへの抵抗があるため、給与の切り下げも含めた「痛みの分かち合い」をどういう形で実現するかが焦点となってきている。

④ 成功したオランダモデルへの注目

 こうした中で、オランダの取り組みは、労働市場と経済の改革に成功した例として「オランダモデル」と呼ばれ、注目を集めた。これは政府と労使による社会的な合意に基づいて実施されたことに特徴があり、それぞれが負担を分かちあうことによって、経済の立て直しを図った構造改革の例である。特に、フルタイム雇用の労働時間短縮とそれに伴う給与の減額を行う一方、パートタイムでの雇用機会を大幅に増加させたことが特徴であるが、ワッセナー合意と呼ばれる社会経済制度の全般に及ぶ構造改革とともに実施されてきたものである。

1.2 一九八〇年代に提起された「日本型ワークシェアリング」

①  時短の主眼は雇用よりも「生活のゆとり」に

 日本では、国際的にみても労働時間が長すぎるという指摘がされてきたが、労働時間短縮への取り組みは、生産性向上の成果配分として早い段階から労使交渉の焦点となっていた。とりわけ電機産業から始まった週休二日制の動きは一九七〇年代には急速に進展した。しかし、若い世代の余暇志向の流れには沿ったものの、多くの労働者の関心は労働時間より賃金への傾向が強かったといえる。このため、制度としての労働時間は縮減する方向に進んできたが、長時間の残業や年次有給休暇の取得率の低さなどによって、総実労働時間の短縮は緩やかなものであった。この傾向は、欧州で週所定労働時間の短縮が急速に進む一九八〇年代以降にさらに顕著になった。

 幸い日本では、高い経済成長に支えられて労働力需給は逼迫気味の基調で進んできたため、大量の失業の存在が社会的に深刻な局面に達するという経験は久しくなかった。二度のわたる石油危機の際には、一時的な離職者の発生があっても、一方で雇用吸収分野が成長していることで乗り切ってこられた。日本もまた「ミラクル」と言われるような低失業のパフォーマンスを保ち続けた経済の優等生であったのである。

 こうした中での労働時間短縮は、長期的に雇用を支えていくために必要だという概念より、むしろ自由時間が増加することによって生活のゆとりをどう高めるかという概念が重視されてきた。このため、経営者にとっても、賃上げと時短はともに成果配分の要素であるという感覚が定着してきたのであり、事実労使交渉でも時短は時間当たり賃金の単価を引き上げることを意識して、賃上げと関連議論されてきたといえる。

② 長時間労働の是正と高齢者雇用の結びつけ

 一九八〇年代に欧州でのワークシェアリング論議が活発になった時も、日本は雇用と労働時間という角度の論議は遠い状況であった。週三五時間を目指す労働時間短縮への動きは、週四〇時間制も完成していない状況にあった当時においては、さらに高い目標であろう。輸出主導型から内需主導型経済への転換を打ち出した一九八六年の「前川レポート」は、高まる国際批判に対応するとともに、自由時間の増大を通じた「内需拡大」を旗印にして、労働時間短縮を重要政策に位置付けた。その具体的目標は、年間一八〇〇時間に労働時間を短縮するというものであった。

 したがって、当時の問題意識は、まず労働者全体が長時間労働ということをどう是正するかに置かれた。その一方では、高年層では早すぎる定年(当時五五歳定年が主流であった)と再就職が困難な状況にあり、若・中年層との働き方, に著しいいアンバランスがあった。日本でワークシェアリングを考えるとすれば、こうした労働時間の世帯間の再配分ではないかという論議である。欧州の状況と異なり、雇用を増大すべき重点的な対象は高年者層であり、しかも早期引退ではなく、むしろ雇用延長により現役期間を延ばしていくことに目標が置かれた。このように、「日本型ワークシェアリング論」は、いろいろな意味で欧州と違いのあるものとして展開されたのである。

 一九八〇年代の初めは、まだ五五歳から六〇歳までの定年延長が大きな政策課題として進められている時期だった。六〇歳定年の企業の割合が半数を超えたのが八〇年代の半ばであり、ようやくその法制化への前提が整い始めた頃であった。五五歳定年で会社を離れれば、再雇用制度が一部あるものの、外部への再就職は極めて難しい。若・中年期には長時間労働も厭わず働き続け、高齢期には雇用機会が乏しいという矛盾した状況と、現役時代には自由時間が足りないのに引退後には有り余るほどの自由時間に恵まれるという、「働き方」の歪みも問題となった。若・中年期の労働時間を短縮する一方、高齢期の雇用期間を延ばすというバランスを求められたのである。ただし、こうした考え方は心情的に共鳴が得られたとしても、現実的には労働時間短縮と定年延長とは異なる性格の問題ととらえられ、それを一緒に解決するのは難しかった。

③ 高齢期の同世代によるワークシェアリングへ

 その後、六〇歳定年は法制化され、むしろ公的年金の支給開始年齢が引き上げられたことにより、六〇歳定年以降の雇用継続問題が焦点となっている。また、雇用保険制度に高齢者雇用継続給付が設けられるなど高齢者の雇用継続に関する援助措置も充実してきた。しかし、高齢者雇用に対する企業の意欲が依然として活発でなく、定年年齢に近づく高齢者が増大する中で、六五歳までの雇用機会を確保することが大きな政策課題になっている。

 この場合、高齢期には個人によって健康・体力の状況が異なるとともに、ライフプランとして必ずしも定年前と同じような働き方を求めるとは限らない。このため定年後の継続雇用に、通常勤務のほかフレキシブルな勤務形態を取り入れ、多様な働き方のの選択肢を用意することに力点が置かれている。つまり、労働時間を調整することによって雇用機会を確保するという、いわば高齢期の同世代によるワークシェアリングでもある。ただし、高齢者の場合には、背後に年金などの老後生活を支える資金が存在していることも忘れてはならない。したがって、賃金か時間かという単純な選択な形とはなっていない。

1.3 再び脚光を浴びてきた今日の状況

① 失業対策として位置付けたOECD報告

 OECD加盟国全体の失業者数は一九七〇年代までは一〇〇〇万人程度であったが、経済成長の低下や人口構造の変化、労働市場のミスマッチ、社会保障制度の影響など、さまざまの要因によって急増している。一九九〇年代に入っても、この傾向は変わらず、加盟国全体での失業者は三〇〇〇万人台に達した。こうした中で、欧州においては、ワークシェアリングに対する関心は依然として強く、労働時間短縮をめぐる政労使の議論が活発に行われている。

 一九九二年五月のOECD閣僚理事会では、雇用問題への対応と増大する失業への対策が最大の政治課題であるという認識から、失業の原因解明と対策の研究に着手することが決定されたOECD事務局による雇用失業研究の報告書は九四年六月に出されたが、その中では、マクロ経済政策の重要性と当時に構造調整政策が不可欠であることが指摘された。ワークシェアリングもその一環として論議されている。

② 欧米と同様な認識が持たれてきた日本

 日本においても、経済の再生が大きな政策課題となる中で、失業水準の高まりや求人倍率の低迷といった雇用情勢の悪化が見られる。企業・工場の海外移転に伴って雇用機会の海外流出が進む一方、不良債権処理に合わせて余剰人員の整理が予想される中で、代替の新しい雇用機会の創出には時間がかかるため、雇用に対する不安感は強い。こうした状況下では、すべての年齢層にわたる雇用確保が重要な課題となっており、日本も欧米と同様な問題意識に立って、ワークシェアリングを考える段階になってきたといえる。これまで、企業は、日本的雇用慣行の下にできる限り雇用を維持する方針をとってきており、景気変動による業務量と雇用需要の縮小に対しても、雇用人員の削減には直接手をつけない形での対応を進めてきた。しかし、最近では、人員整理にまで踏み込んだ、より直接的な雇用調整を余儀なくされてきており、「雇用」が聖域ではなくなりつつある。そうした中で、経営合理化と雇用安定を両立させる方策としてのワークシェアリングのも関心が持たれ始めてきた。

 始まった労使の導入論議

 一九九九年一月、日本経営者団体連盟(日経連、現在の「日本経団連」)が、平成一一年度労働問題研究委員会報告において、中高年齢者雇用や個別企業におけるワークシェアリングの考え方の導入を唱えた。また、日本労働組合総連合会(連合)は、九八雇用対策指針で、時間外労働削減による雇用創出の取り組みを提起していた。それ以来、関係者間で、ワークシェアリングをめぐる議論が本格化することとなった。

 労働側からは、一九九九年六月、厳しさを増す雇用情勢を踏まえて、痛みの分かち合いよる政労使の雇用安宣言の可能性など、ワークシェアリングの考え方に前向きな提案がなされた。連合は同年10月に採尺した二〇〇〇・二〇〇一年度の運動方針で、サービス残業や長時間残業、年休不消化という現実に照らして、労働時間短縮と雇用確保をセットで進めるのが、日本的ワークシェアリングのあり方とした。

これに対し、日経連は、2000年の労働問題研究委員会報告において、総額人件費を抑制するために、労使はあらゆる工夫を講じなければならないとした上で、ワークシェアリングとは一般に、「就労時間を減らし、その分、賃金を下げて雇用を維持する手法である」と位置付けた。このため、「正規従業員についても、仕事の性格、内容によって時間給管理が可能なものは時間給賃金とする発想も必要ではないか」とし、さらに、「柔軟なワークシェアリングという発想に立つという雇用形態の多様化」を提起した。

 この時点で、連合は、日経連のいう「柔軟なワークシェアリング」とは総額人件費抑制策の一つであり、「雇用の分かち合い」というよりは「賃金の分かち合い」の提起となっていると批判していた。その一方、ワークシェアリング問題については、マクロレベルにおける労働者間の「仕事の分かち合い」という観点に立って、さらに検討・研究を続いていくという方向に臨んだ。

第2節 ワークシェアリングの定義と類型

2.1 各機関はどういう定義をしているか

 このようにワークシェアリングの検討が本格的に始まったが、その定義が必ずしも明確にされなかったため、議論が混乱することも少なくなかった。そこで、まずワークシェアリングの定義と概念を整理しておくことにしたい。早くからワークシェアリングが導入されてきた欧州ではどのように定義してきたのであろうか。

 欧州における一般的な定義を見ると、「就業を希望する者に対する雇用機会を増加させるために、労働時間を短縮して労働の再配分をすること」とされている。つまり、①まず労働時間短縮を図ること、②それによって雇用機会を増大・創出させ、③その雇用機会(仕事)を分かち合うこと、と整理される。問題は再配分(分かち合い)の対象であり、これは状況に応じて、雇用されている労働者と失業者、あるいは雇用されているものどうしでのこととなる。

 言い換えれば、ワークシェアリングは、「雇用機会」と「労働時間」という要素の組み合わせ方の変化・調整の方法を考えることである。厚生労働省の『ワークシェアリングに関する調査研究』においても、ワークシェアリングは、「雇用機会、労働時間、賃金という3つの要素の組み合わせを変化させることを通じて、一定の雇用量を、より多くの労働者の間で分かち合うこと」と整理されている。

2.2 ワークシェアリングの類型

 ワークシェアリングには、いくつかの類型があり、ワークシェアリングを導入する際にそれぞれの特徴や効果を考えて選択しなければならない。表1.1に6つの類型を示した。

 またワークシェアリングは、短期的に効果を出すものと、中長期的に効果を出すものの二つに分けられる。短期的なタイプは、緊急避難・雇用維持型、雇用創出型、中高年雇用維持型、高齢者早期退職型が当てはまる。中長期的なタイプは、多様就業対応型、長期休暇者の代替雇用型が当てはまる。

 ワークシェアリングの目的は、雇用の維持・創出にあり、ワークシェアリングのいくつかある類型をどのように導入していくのかを考えていかなければならない。ワークシェアリングを導入しているオランダ、フランス、ドイツの欧州3カ国についてどのように導入しているのかについては後章に述べる。

表1.1:ワークシェアリングの類型

効果

類型

定義

導入背景

対象者

ワークシェアリングの方法

短期

緊急避難・

雇用維持型

一時的な状況の

悪化を乗り越える

ため、緊急避難措置として、従業員一人当たりの労働時間を短縮し、社内でより多くの雇用を維持する

・企業業績の低迷

現在雇用されている従業者全体

所定内労働時間短縮

・休暇の増加

短期

雇用創出型

失業者に新たな雇用機会を提供することを目指して、国また企業単位で、労働時間を短縮し、より多くの労働者に雇用機会を与える

・高失業率の慢性化

・労働者と失業者

法定労働時間短縮

短期

中高年雇用維持型

中高年層の雇用を確保するために、中高年層の従業員を対象に、当該従業員一人当たりの労働時間を短縮し、社内でより多くの雇用を維持する

・中高年を中心とした余剰人員の発生

・60歳代前半の雇用延長

 高齢者など特定の階層内

 60歳未満の世代、60歳以上の世代

所定内労働時間短縮

・休暇の増加

短期

高齢者早期退職型

退職間際の高齢労働者が退職するか労働時間を減らし、それを失業者や社内労働者に割り当てる

・若年層の高失業率

・労働者(高齢者)と失業者(若年層)

・高齢者の時間短縮、若年層の採用

中長期

多様就業対応型

正社員について、勤務の仕方を多様化し、女性や高齢者をはじめとして、より多くの労働者に雇用機会を与える

・女性・高齢者の働きやすい環境づくり

・育児・介護と仕事の両立

現在の労働者と潜在的な労働者

・勤務時間や日数の弾力化

・ジョブシェアリング 一人分の仕事を二人で分担

・フルタイムのパートタイムか

中長期

長期休暇者の代替

雇用型

育児、介護、長期旅行、自己啓発、訓練、企業内教育など理由で、有給、無給の長期休暇をとるものの代わりに失業者を雇用するもの

・慢性的な長時間労働

・少子高齢化への対策

労働者と失業者

所定内労働時間短縮

・休暇の増加

資料 厚生労働省 『ワークシェアリングに関する調査研究報告書』2001年4月。

2.3 ワークシェアリングの選択

 ワークシェアリングは、短期と中長期に大きく2つに分けることができる、ワークシェアリングを導入する際にも、企業の状況によってどちらのワークシェアリングを選択するかを考えなければならない。図1.1は、今後人員削減の予定がある場合を筆者が考えて図にしたものである。

 今後人員削減の予定がある企業は、緊急避難・雇用維持型などの短期のワークシェアリングを行うことになる。しかし、これは、一時的なものであるため、中長期に見ると効果があるわけではない。そこで、最初は、緊急避難・雇用維持型などの短期のワークシェアリングを実施し、企業の業績が向上するなど、見通しが良くなれば、多様就業対応型などの中長期にワークシェアリングを行うことができるようになるのである。

図1.1:ワークシェアリングの類型における選択

 出所: 筆者作成。

第2章 欧州におけるワークシェアリングの実態

 ワークシェアリングについては、一九八〇年代以降、失業率が一〇%を超える深刻な雇用情勢を改善することを目的として、ドイツ、フランスなど欧州各国でさまざまな取り組みが行われてきている。ワークシェアリングが働く機会を再配分しようとする政策の面で共通であるが、各国の労使関係や政策アプローチによって導入の方法も異なる。

 欧州各国におけるワークシェアリングは次の六種類の形態に整理できる

 週当たり労働時間の短縮による雇用維持・創出

 ジョブシェアリング

 早期引退措置としてのパートタイム化

 自発的パートタイマー化

 連続有給休暇時の代替要員

 キャリア・ブレーク時の代替要員

 週当たり労働時間の短縮による雇用維持・創出

 これは、週当たりの労働時間を短縮することによって、雇用機会を再配分しようとするものである。労働時間短縮の方法は、ドイツにおいて労使の合意に基づいて労働契約によって実施するようになっている。フランスでは、法律によって実施する方法である。両国とも、主として一企業レベルで緊急避難的な措置として雇用維持を目的とする場合と、経済全体や業種単位で雇用機会を創出し、新規採用を増やすことを目的とする場合がある。

② ジョブシェアリング

 これは、一人分の仕事を二人で分けて、分割した労働時間に応じて賃金なども分割するという方法である。たとえば、二人で午前と午後に四時間ずつ勤務したり、一人が週二日勤務して、もう一人が週三日勤務するなどの方法がある。アイルランドやフィンランドなどに見られるほかに、ドイツでも「労働ポストの分割」として法制度上明確に位置付けている。このジョブシェアリングも、やはり緊急避難として雇用維持を目的に行われる場合と、兼業や短時間勤務を希望する労働者の能力活用を目的として行われる場合がある。

 早期引退措置としてのパートタイム化

 これは、引退年齢が近い高齢者の労働時間を減らし、その分の労働時間を失業者に割り当てるという方法である。典型的には若年の、しかも長期失業者の雇用促進を目的として、フランスやドイツをはじめ多くの国に実例がある。短時間勤務にさせられる高齢労働者に対して、一定の所得補償措置をとるのが一般的である。

 自発的パートタイマー化

 これは、フルタイム労働者の労働時間の削減によるもののほか、賃金処遇や社会保障などの面で、フルタイム労働者との均等待遇を図りながら、労働者自身の選択による短時間就業を促進するものである。特にオランダで普及している。

 連続有給休暇の代替要員

 これは、主として有給休暇の取得者の代替として、その休暇中に失業者を雇用するというものである。オーストリアやデンマークに見られ、法律によるものと労使協定によるものがある。

 キャリヤ・ブレーク時の代替要員

 これは、原則として無給の長期休暇(家族の看護や介護、長期旅行、自己啓発研修など)をとる者の代わりに失業者を雇用する制度である。オーストリアやベルギーで実例があるが、休暇取得者に対してなんらかの手当が支給されることも多い。有給休暇の取得者の代替雇用との違いは小さい。

 このようにワークシェアリングの先例とされる欧州では、多様な施策がある。では各国におけるワークシェアリングは、どのような経済環境を背景に、どの様な目的と方法で推進され、その効果はどうだったであろうか。ここでは、ワークシェアリングへのアプローチの異なるドイツ、フランス、オランダの取組について詳しく見ていくことにしたい。

 

第1節 オランダにおけるワークシェアリングについて

1.1 オランダにおけるワークシェアリング導入について

 オランダにおけるワークシェアリングの導入は、失業率を低下させるなど、その成果が大きいと考えられる。オランダの取り組みは、一九八二年の「ワッセナー合意」に始まる。政府、企業、労働組合の三者で会談が行われ、労働組合は賃金の抑制に協力し、企業は労働時間の短縮を行い、政府は社会保障制度改革を伴う財政支出の抑制と減税を行うものであった。その結果、一九九〇年代ヨーロッパ諸国の多くで失業率10%台になるのに対して、オランダの失業率は二〇〇〇年には二%台にまで下がった。しかも、一九八八年から一九九七年までの雇用増加のうち三分の二がパートタイム労働であった。このことから、オランダにおいてワークシェアリング導入は雇用創出につながり、失業率の低下につながったと考えられる。現在、労働時間の短いパートタイム労働者の比率は全労働者の四割近くまで達している。

1.2 オランダの失業率が大幅に減少した要因 

 一九八二年、一九八三年に最悪の失業率12%を記録したオランダだが、一九八〇年代後半には7―9%台に減少し、二〇〇一年五月では2.3%という他国に比べて低い失業率を示していいた。

 この失業率減少の要因は、ワッせナー合意に基づき改革が行われたものである。このワッセナー合意により賃上げが抑制され、また、パートタイム労働とフルタイム労働の均等待遇を図ることが労働時間短縮につながった。こうしたことを背景に失業率が減少したのである。そこで、このワッセナー合意に基づく具体的な施策の内容をみていく。

 賃金上昇の抑制

 ワッセナー合意に基づく改革の一つとして、賃金上昇の抑制があげられる。労働者の賃金上昇が抑制され、雇用の確保が優先された。賃金の決定方式は、インフレ率に合わせて賃金を調整する方式から、労使の代表機関によって賃金交渉を行う統一労働契約に方式が移行した。これにより、労働組合の要求に基づく賃上げが抑制されることになった。

 パートタイム労働の促進

 改革の一つとして、パートタイム労働の促進が挙げられる。パートタイム労働者とフルタイム労働者との均等待遇の確保、及び、フルタイム労働者が自己の選択によって労働時間を短縮し、パートタイム労働者に転換する権利を労働契約に組み込んだ。その後、社会保障制度、労働法制におけるフルタイム労働者との均等待遇が実現された。

 また、一九八七年に年金制度が個人化され、各制度への加入は、原則として労働時間に関係なく、雇用契約によることとなった。保険料は、労働時間の長さに関係なく、収入に比例した保険料を支払い、パートタイム労働者は、その労働時間に比例した受給権を得ることができるようになった。

 次に、一九九三年には、改正労働法が実施された。同法の代表的なものとして、一つは、週労働時間が3分の1以下のパートタイム労働者に対する最低賃金の適用除外の規定を廃止し、同一種類の労働者は、労働時間の長さに関わらず、均等の賃金を得るものとすること。もう一つは、年金制度へのパートタイム労働者における加入について除外を禁止するものとすること、とされている。

 更に、1996年に、新労働法が実施され、フルタイム労働者からパートタイム労働者への転換を求める労働者の意思を考慮すべきものとされた。

 そして、同年に、労働時間による差別禁止法が実施され、これによってフルタイム労働者とパートタイム労働者の均等待遇が法的に義務付けられた。

 最後に、1999年には、労働時間の調整に関する新法が制定され、労働者は使用者と協議の上、労働時間を増減することができるものとされた。

 社会保障制度

 社会保障制度については、就労可能な年齢にある者については、誰もがまず就労の機会を与えられ、失業、疾病、高齢、障害などにより就労が困難になった時にはじめて社会保障制度の対象となることが原則となった。

具体的には、障害保険や失業保険の給付水準は最終賃金の80%から70%に減額されたのである。また、23歳以下の若年層の失業保険期間は2年半から半年に短縮され、一方、58歳以上の高齢失業者は求職活動の有無にかかわらず失業保険給付がなされ、若年層において就労機会の拡大が目指されたのである。

1.3 オランダにおける雇用制度の変化

 オランダんにおける雇用制度の変化を1980年代と1990年代において比較してみる。

 パートタイム労働の拡充については、1980年代は長期失業者を雇用した企業に社会保障の負担を軽減させることや、雇用機会に男女差別を禁止する均等待遇法など、どちらかといえば、国が労働制度を決めて国民がそれを利用するといったことがわかる。それに比べて、1990年代は引き続き変形労働時間制導入、労働時間差による差別禁止など、国が労働制度を決めている。そして、フレキシブル労働や、労働時間増減の申請権付与といった労働者の立場を考えた制度が生まれたことが特徴だといえる。

 次に、社会保障制度についても比較してみる。1980年代は、失業保険給付額を下げるといった施策が多く、金銭面、どちらかといえば、短期的に効果のある社会保障制度を敷いていた。しかし、1990年代は、職業訓練の機会を多くする制度が増え、労働者の立場を考えたものとなり、しっかりとした職業訓練を積むことで、失業の機会を減らそうという意図がある。長期的にみると有効だといえる。

 最後に行政の効率化における比較として、1980年代は社会保障の番号制など国が管理するといったことが特徴であるが、1990年代は社会保障の個人化や累進課税の簡素化など、労働者の立場になった制度といえる。

 このことから、これからはより労働者の立場となった制度が必要になってくると考えられる。労働者の立場になって行われた改革を行ったオランダのワークシェアリングは、失業率の低下に成功したといえる。

第2節 フランスにおけるワークシェアリングについて

2.1 フランスにおけるワークシェアリングのはじまり

 フランスにおけるワークシェアリングは、一九七三年のオイル・ショックによって失業率の増大に対して、政府は雇用規制の強化、早期退職や労働時間短縮によるワークシェアリングなどの政策を実施したのがはじまりである。悪化した雇用情勢を解決するために、労働法の改正によって労使交渉を行い、雇用創出のための労働時間短縮を政策的に進めてきている。

2.2 フランスにおけるワークシェアリングの経緯について

①ロビアン法までのワークシェアリング

 一九八二年法定労働時間を週四〇時間から週三九時間へと短縮し、年次有給休暇を5週間とする法改正を行った。しかし、この1982年法は、失業の改善に対する効果はほとんど見られなかった。原因は、時間短縮規模の小ささ、給与の完全補填、雇用情勢に対する財政支出の増加などである。

 その後、再び労働時間短縮によるワークシェアリング政策が復活したのは、1993年である。この年12月に成立した雇用5ヶ年法に、労働時間の年次化による時間編成の中で、実験的な時短誘導措置が盛り込まれた。企業レベルでの労使交渉を重視するとともに、給与削減を伴う15%以上の時間短縮と10%以上の雇用増加を要件に、社会保障の使用者負担を軽減するという手法が行われた。しかし、本法に基づいて締結された年次化協定はわずか15協定にとどまり、効果をあげるものにならなかった。

②ロビアン法によるワークシェアリング

 前節で述べた時間短縮と雇用増加に関する要件を緩和したのが、1996年のロビアン法である。ここでは、時間短縮によって新規採用を引き受ける雇用創出型と、経済的解雇を回避する雇用維持型の二つの形態が導入された。実施にあたっては、年次化協定への位置づけと給与減額を要件からはずす一方、時間短縮割合によっては企業の社会保障負担を軽減する措置が行われ、一九九七年には労働時間・雇用に関する企業協定が増加した。

③オブリ法によるワークシェアリング

 このロビアン法から国家の財政援助を背景に労働時間の短縮と調整によって雇用創出を目指しているのがオブリ法である。

 具体的には、一九九八年の労働時間短縮の導入に関する第1法と、二〇〇〇年の交渉による労働時間短縮に関する第2法からなる。

 第1法による財政援助は、10%以上の時間短縮により週労働時間を三五時間以下とし、6%以上の新規採用もしくは雇用維持を約束したものであり、新規採用の場合5年間、雇用維持の場合は3年間にわたって社会保障負担を軽減する形で行われる。

 フランス政府が二〇〇〇年一月二八日に公表した調査結果によれば、第1法に基づいて労働協定を締結した企業数は23,275社で、これは二〇人を超える企業の14%にあたる。このうち雇用創出型が94%、新たな雇用創出数は137、293人となり、雇用維持型が6%で、雇用維持数が22,276人となっている。

2.3 フランスにおけるワークシェアリング

 フランスにおけるワークシェアリングは、法制度によって政府で労働時間短縮を進め、若年失業者や長期失業者に対して雇用機会を作ることを目的にワークシェアリング政策を進めてきた。

 第1法、第2法のオブリ法により、法定労働時間を従前の週39時間から35時間へ削減し、雇用創出・維持を図っている。時間短縮に伴う賃金の取扱は労使協定に任されている。また、法の実施に先立って一定以上の時間短縮を行い、一定以上の雇用を創出した場合には、社会保険料の使用者負担分がそうと程度減額されるという財政的支援をするなど、企業の社会保障負担を軽減する措置が取られていた。

第3節 ドイツにおけるワークシェアリングについて

3.1 ドイツにおける労働時間短縮について

 ドイツでは、一九八四年の金属産業における協約交渉において、労使紛争を経て、週40時間であった労働時間を、給与の減少をせずに週38.5時間へ短縮すると労使が合意している。その後、金属産業では、一九九五年に週35時間制が導入されており、他の産業においても労働時間短縮が進んだことから、現在平均的に週37時間となっている。

3.2 ドイツにおけるワークシェアリングの事例

 最も労働時間の短い産業分野で、ドイツにおけるワークシェアリングの事例として、BMWレーゲンスブルグ工場である。同工場では、製造分門では交替制、管理部門ではフレックスタイム制、保全部門ではこれらの変形的な形態が採り入れられている。週休3日、1日9時間という3組2交替制の導入で時短を図りながら、工場の稼働時間を延長し、生産性向上によって雇用を増やしてきている。

 また、一九九三年のフォルクスワーゲン社の雇用保障協定がある。週28.8時間という短い労働時間を実施し、原則週4日の出勤とする。時間短縮の分月収は下がるが、諸手当の調整によって時間短縮分の20%ではなく、年収で10%程度の減収にとどめる。その代わりに、一九九五年一二月までは経営上の理由による解雇は回避するという協定であった。

3.3 ドイツにおけるワークシェアリング

 ドイツにおけるワークシェアリングは、労使によって、雇用機会の維持・拡大を目的としたものである。

 給与削減に伴わない時間短縮は、時間当たり賃金を上昇させる。労働時間短縮によるコストは、企業が負担することになる。企業は労働時間編成の弾力化を進めるための選択肢を導入して、それによる時間あたり生産性の向上によって時短のコストを吸収しようとした。

 1日単位や1週間単位の弾力化だけでなく、代替休日などによる1年単位の調整、早期退職や高齢者パートによる生涯単位での時間短縮も導入された。個々人の労働時間を平均して、職場や事業所単位で時間短縮を達成するという方法もとられたのである。

 こうした時間短縮は雇用に対して、連邦雇用庁労働市場職業研究所が行った1997年の推計によると、多くの雇用を生み出してきている。ただし、生産技術の進歩などによる時間あたり生産性の向上が不可欠であり、時間短縮は経済成長の雇用創出効果を高めると結論付けている。

まとめ

 1980年代から深刻な雇用情勢を解決するためのワークシェアリングに取り組んできたヨーロッパの代表的な事例として、オランダ、フランス、ドイツをみてきた。ワークシェアリングの具体的なねらいや進め方は、それぞれの国の経済構造、景気動向、及び労働市場や労使関係などによってさまざまであった。

 どういった労働者層の雇用機会を創り出そうとし、国・産業・企業など、どのレベルで取り組むのか。労働時間短縮に伴う給与の取扱いをどうするか。時短コストをいかに負担、吸収するのか。特に生産性の向上による企業収益の改善に向けて、労働時間編成の弾力化をいかに進めるのか。政府はどういう政策スタンスをとり、労使の取り組みを支援するのか。

 そして、ワークシェアリングの効果を、経済や雇用の改善とともに労働生活の質や勤労社会のあり方の観点からどう評価するか。各国の経験は、日本におけるワークシェアリングの実践に役に立つとされる。

第3章 日本型ワークシェアリングの実態

第1節 日本の「ワークシェアリング論議」

 第1章でみたように、日本におけるワークシェアリング論議は、これまで二回あった。一回目は石油危機後の1970年代後半、そして二回目は「円高不況」の1980年代後半である。1990年代末から始まった今回のワークシェアリング論議は、2000年以降、盛り上がりを示している。今回のワークシェアリング論議の経緯を見よう。

1.1 論議の背景

 1999年、2000年と日経連の労働問題研究会報告は、「ワークシェアリング」の選択を打ち出している。連合も99年の向こう二年間の運動方針に「ワークシェアリングの検討」を盛り込んである。

 1999年ごろにワークシェアリング議論が活発化した背景には次のようなことがある。まず、厚生年金における支給開始年齢60歳から65歳への引き上げである。20014月始まった厚生年金定額部分の支給開始年齢の段階的引き上げ開始、そして2013年度からの報酬比例部分の引き上げ開始を控えている。団塊世代が後五年ぐらいすると定年の60歳を迎えるが、60歳で年金がもらえないとなれば、当然働き続けたいと思う人が多くなる。問題はその人たちの雇用をどうするかである。現状では定年を60歳以上にするのはなかなか難しい。したがってこの年齢層を対象とした雇用対策について、かなり以前から議論がされており、その一つが中高年対策でのワークシェアリングなのである。

 一方、最近は企業の新卒採用の抑制で若年者の雇用の場が減少してきている。この場合若年者自身も困るわけであるが、職場においても、若者が入ってこないので、ホワイト・カラー、ブルー・カラーにかかわらず、技能・スキルの移転ができないという問題が発生している。しかもこれは一企業にとどまらず、日本経済全体の問題でもあるといえよう。そのために、若年者を何とかして採用しなければいけないわけであるが、会社の経営が苦しけば、そうもいかない。そこで国または企業単位での若者(失業者)と高齢者(労働者)のワークシェアリングが必要になってくる。これは第1章でみた第三タイプの(若年者)雇用創出型のワークシェアリングである。

1.2 労使における見解の相違と共通点

 いわゆる「若年者と高齢者のベストミックス」の議論につながる背景を、1999年ごろの時点では熱く持っていた。99年時点では、労使とも不況期における企業内での雇用維持といった緊急避難的な意義からワークシェアリングを導入しようといった点は一致していた。しかし、労使では賃金カットを原則とするかどうかで大きな相違があった。たとえば、日野自動車の事例がそれである。

 日野自動車では996月から20003月まで、55歳以上の間接部門労働者に対し賃金収入カットを伴う短時間勤務制度を適用した。これについて、当初、会社側は交渉の席で「ワークシェアリング」的な制度と発言したが、労組の反発で「短時間勤務」の拡大と位置づけられた。

 この時点では、日経連は総額人件費抑制策の一環としてワークシェアリングを位置づけ、「労働時間縮減に応じての賃金削減」を前提としていた。しかし、それは「あらゆる対策をとった上で、なお対処が避けられない場合」と限定している。 一方連合は「時間比例の賃金カット」に反発し、有休の消化促進やサービス残業解消を優先としたワークシェアリングを考えていた。また、連合は、ワークシェアリングは全労働者を対象とするもので、「必ずしも」賃下げを伴うものでないとも主張していた。2001年にはいって連合の笹森清会長が「減収を伴う時間短縮(ワークシェアリング)もやむなし」と発言したことから、ワークシェアリングは急速に現実味を帯びた。2001年に入ってからのナショナルレベルの動きと並行して個別労使では、さまざまな検討や実施がなされていった。

 2002329日、政労使の検討会議による合意内容が発表された。厚生労働大臣、日経連会長、連合会長が「ワークシェアリングについての基本的考え方」とする合意内容を確認した。この合意には、「多様就業型」と「緊急対応型」の二つの方式を軸とする導入五原則が盛り込まれている。政府の取組については、(一)多様な働き方の推進、働き方に見合う賃金・人事制度のありかた,(二)次期年金制度改革に合わせて、パートタイマーを含めた短時間労働者に対する社会保険の適用拡大、(三)緊急措置としてのワークシェアリングに対する財政支援策、が明記された。具体的な内容は次に掲載した「資料1」にある。

 資料1

ワークシェアリングに関する政労使合意

現在我が国では、少子高齢化、経済・産業構造の変化などが急速に進展する中で、これまでの働き方やライフスタイルの見直しを行うことが必要とされている。他方、今後、不良債権処理の進展など構造改革が進む中で、雇用情勢がさらに悪化する可能性も否定できないことから、失業の防止などにより痛みを最小限に抑え、国民の雇用不安を解消することが必要となっている。

このようの中で、昨年10月、日本経営者団体連盟と日本労働組合総連合会が「雇用に関する社会合意推進宣言」を行ったことを踏まえ、政労使三者でワークシェアリングに対する基本的な考え方についての合意形成を図るため、昨年12月以来、「政労使ワークシェアリング検討会議」を開催し、精力的な検討を行ってきた。

ワークシェアリングと呼ばれるものに様々な形があるが、この会議では、我が国の経済社会の現状に鑑み、政労使の関心も高く、かつ、速やかに取り組む必要があると考えられるワークシェアリングについて検討行った。

今般、政府、日本経営者団体連盟及び日本労働組合総連合会は、「ワークシェアリングについての基本的な考え方」について合意した。今後、三者はこれらを労使関係者に広く周知するとともに、ワークシェアリングの実施のための環境整備の具体化に向けて、さらに検討を深めていくこととしたい。

平成十四年三月二十九日

厚生労働大臣       坂口 力

日本経営者団体連盟会長  奥田 

日本労働組合総連合会会長 笹森 清

ワークシェアリングについての基本的な考え方

[ワークシェアリングの取組に関する五原則]

一. ワークシェアリングとは、雇用の維持・創出を目的として労働時間の短縮を行うものである。わが国の現状においては、多様就業型のワークシェアリングの環境整備に早期に取り組むことが適当であり、また、現下の厳しい雇用情勢に対応した当面の措置として緊急避難型のワークシェアリングに緊急に取り組むことが選択肢の一つである。

二. ワークシェアリングについては、個々の企業において実施する場合は、労使の自主的な判断と合意により行われるものであり、労使は、生産性の維持・向上に努めつつ、具体的な実施方法などについて十分協議を尽くすことが必要である。

三. 政府、日本経営者団体連盟及び日本労働組合総連合会は、多様就業型ワークシェアリングの推進が、働き方やライフスタイルの見直しにつながる重要な契機となるとの認識の下、そのための環境づくりに積極的に取り組んでいくものとする。

四. 多様就業型ワークシェアリングの推進の際しては、労使は働き方に見合った公正な処遇、賃金、人事制度の検討・見直しなど多様な働き方の環境整備に努める。

五. 緊急避難型ワークシェアリングの実施に際しては、経営者は、雇用の維持に努め、労働者は、所定労働時間の短縮とそれに伴う収入の取扱いについて、柔軟に対応するよう努める。

Ⅰ.速やかに取り組むべきワークシェアリングの形

(一) ワークシェアリングとは、雇用の維持・創出を図るものを目的として労働時間の短縮を行うものであり、雇用・賃金・労働時間の適切な配分を目指すものである。

(二) 我が国の経済社会の現状においては、雇用の維持・創出が強く求められる一方、生産性の向上が必要とされており、ワークシェアリングについても、これに資する形で実施することが必要である。

また、ワークシェアリングはここの企業における労使の自主的な判断と合意により実施されることが必要である。

(三) こうした観点から、我が国では、多様な働き方の選択肢を拡大する多様就業型ワークシェアリングの環境整備に早期に取り組むことが適当である。

また、当面の厳しい雇用情勢に対応するため、緊急対応型ワークシェアリングについて緊急的な取り組みを行うことが選択肢の一つである。

 Ⅱ.多様就業型ワークシェアリングのあり方

一. 基本的な考え方

(一) 労働者の働き方には様々な形態がありうるが、個々の企業の労使がワークシェアリングの手法を活用して多様な働き方を適切に選択できるようにすることは、我が国の経済社会に現状において、次のような効果を有していると考えられる。

 国民の価値観の多様化や仕事と家庭・余暇の両立などのニーズに対応し、働き方やライフスタイルを見直すことが出来る。

 経済のグローバル化、産業構造の変化などに対応し、企業による多様な雇用形態の活用を容易にすることにより、経営効率の向上を図ることができる。

 少子高齢化の進展や就業意識の多様化などに対応し、女子や高齢者を含む労働者の働き方に対する希望に応え、その能力を十分発揮させることにより、生産性の向上を図ることができるとともに、少子高齢社会における支え手を増加させることができる。

 労働者と企業の多様なニーズに応え、労働力需給のミスマッチを縮小することができる。

(二) 労働者がその能力を十分発揮できるようにし、企業の活力を高めていくためには、多様な働き方が適切な選択肢として位置づけられることが必要である。

  そのため、個々の企業において、従来の雇用慣行や制度の検査見直しに取り組み、多様な働き方のための環境整備を進めていくことが必要である。

二. 実施にあたっての留意事項

個々の企業においては、労使の自主的な判断と合意により、次のとうり、多様な働き方を実現するための環境づくりを進めることが望ましい。

 正社員の短時間勤務や隔日勤務など多様な働き方の実現に向けての環境整備を図るため、賃金・人事制度に関し、職務の明確化、時間当たり賃金の考え方などについて検討を行うこと。

 多様な働き方及び成果に見合った公正な処遇を図ること。また、使用者は、その処遇について十分な説明を行うこと。

 職務の性格に応じて短時間勤務などを実施する場合には、仕事の仕方の見直しを行うとともに、労働時間管理の適正化を図ること。

 多様な働き方に見合った企業内教育訓練や自己啓発の支援を行い、労働者の職業能力の向上を図ること。

三. 政府の取り組み

(一) 多様就業型ワークシェアリングの環境整備を社会全体で進めるため、短時間労働者などの働き方に見合った公正・均衡処遇のあり方及びその推進方策について、引き続き検討を行う。

(二) また、短時間労働者に対する社会保険適用のあり方については、平成16年に行われる次期年金制度改正に向け、厚生年金保険の適用拡大について引き続き検討を行う。医療保険についても、検討を行う。

 Ⅲ.緊急対応型ワークシェアリングのあり方

一. 基本的考え方

(一) 現在、景気は悪化を続け、生産量や売上が減少している企業では雇用過剰感に直面している。今後、不良債権処理など構造改革が進む中で、個々の企業が雇用削減を続ければ、雇用情勢は厳しさを増し、社会不安を招きかねず、景気に更なる割る影響を及ぼすことが懸念される。こうした観点から、失業者の発生をできるだけ抑制するための緊急的な対応が必要である。

(二) このため、今後、二~三年程度の間、個々の企業において一時的な生産量などの減少に伴ない余剰人員が発生した場合、当面の緊急的な措置として、労使の合意により、生産の維持・向上を図りつつ、雇用を維持するため、所定労働時間の短縮とそれに伴う収入の減額を行う緊急対応型ワークシェアリングを実施することが選択肢の一つとして考えられる。

(三) 緊急対応型ワークシェアリングは、個々の企業において従来から行われてきた雇用調整措置とは異なる新たな雇用調整の手段として位置づけられるものである。また、その実施のタイミング、実施期間、対象範囲などについては、個々の企業の実情に応じて判断されるべきものである。

二. 実施にあったての留意事項

(一) 緊急対応型ワークシェアリングの実施に当たっては、個々の企業の労使間で、次の点について十分協議し、合意を得ることが必要である。

 実施及び終了の基準、実施する期間

 実施する対象範囲(分門、職種等)

 所定労働時間の短縮の幅と方法(一日当たり労働時間短縮、稼働日数削減等)

 所定労働時間の短縮に伴う収入(月給、賞与、退職金等)の取扱い(注)時間当たり賃金は、減少させないものとする。

(二)労使の納得と合意が得られた場合には、労使間の合意内容について、協定を締結するなど明確化することが必要である。

(三)緊急対応型ワークシェアリングの実施に先立ち、労働時間管理を徹底し、残業の縮減に取り組むことが必要である。

(四)緊急対応型ワークシェアリングを実施する場合であっても、労使は生産性向上やコスト削減など経営基盤の強化及び新事業展開の努力を行うことが必要である。

三.政府の取り組み

緊急対応型ワークシェアリングに対する政府の財政的支援については、公平性の観点などにも配慮しつつ、今後二~三年程度行われる新たな雇用調整の手段であるという観点に立って、具体的な支援策について、引き続き検討を行う。

Ⅳ 政労使合意の周知等

(一) 政府、日本経営者団体連盟及び日本労働組合総連合会は、この「ワークシェアリングについての基本的な考え方」を個々の企業の労使に周知するものとする。

(二) 日本経営者団体連盟及び日本労働組合総連合会は、個々の企業の労使に対し、多様な働き方の実現に向けての環境整備に積極的に取り組むとともに、緊急対応型ワークシェアリングを実施する場合には適切に行うよう、働きかけを行うものとする。

Ⅴ.その他の事項

(一) 政府、日本経営者団体連盟及び日本労働組合総連合会は、この「ワークシェアリングについての基本的な考え方」で検討を行うこととされた事項その他のワークシェアリングに関連する事項について、引き続きこの会議において検討を行うものとする。

(二) 政府は、厳しい雇用情勢に対応し、総合雇用対策各般の施策に基づき、引き続き次の取組を推進するものとする。

 新市場・新産業の育成による雇用創出

 労働市場の整備

 多様な働き方に関する労働法制の見直しの検討

 労働力需給調整システム、職業訓練システムなどの整備

③セーフティネットの整備

出所:http://www.mhlw.go.jp/houdou/2002/03/h0329-1.html (アクセス日:2009年12月30日)。

第2節 ワークシェアリングに向けた動き

2.1 自治体の動き

民間企業の例を紹介する前に、多くの地方自治体でワークシェアリングが検討され実施されている事例を述べておこう。

①兵庫方式

このモデルは兵庫県がつくった。兵庫県は二〇〇〇年に職員の時間外手当を一〇%カットし、その財源で十八―二十九歳の年齢層から一七〇人雇用した。第三のタイプである雇用創出型の若年者に焦点を当てているやり方である。この「兵庫方式」がモデルとなり、滋賀、北海道、青森、岩手、秋田、福島、静岡、京都、鳥取、愛媛、高知の各道府県でも同じようなワークシェアリングを導入あるいは実施予定である。札幌、仙台、那覇などの市でも行われる予定である。このような形のワークシェアリングなので効果は限定的だろうが、職員が残業しなくて仕事をすすめるやり方を考えざるを得ないだろうし、若年者が職場にはいることによって、ある程度技能の引き継ぎがなされるかもしれない。

②鳥取県の職員基本給カットの「実験」

二〇〇二年四月一日の「朝日新聞」に衝撃的なワークシェアリングを導入した事例が掲載された。鳥取県庁で、四月から基本給をカットして雇用創出を目的とするワークシェアリングを実施するという試みである。先述したとおり、公共部門のワークシェアリングに取り組む都道府は増えてきたが、これらの大半は超過勤務手当をカットして臨時職員を増やす方法である。基本給に切り込んだ上に正規職員の数を増やす例は他にない。

そもそも鳥取県下の雇用情勢は深刻であった。最大企業の鳥取三洋電機は従業員給与の一〇%削減と早期退職募集に踏み切り、五八〇人が応募した。中国製品の攻勢で繊維業界でも一〇〇人規模の企業の倒産が相次いでいた。この情勢のなか、片山善博鳥取県知事は「景気の悪い時は行政が採用を増やすし、雇用の調整弁としての役割を果たすべき」と考え、県職員に我慢してもらう選択をした。

実際、県職員の給与水準は民間より月額で八三二五円(二.二%)高い。この実態に対して「リストラの嵐の吹くなか、民間より県職員の給与が高いことをどう思うか」と県議会で質問されることもあったという。こうしたなかで知事は今回の判断をしたのである。

「鳥取県版ニューディール政策」と命名された今回のワークシェアリングは、つぎのようなものである。

財源は県職員(教職員も含め約一万人)の給与削減である。今春から三年間、知事以下三役は七%、若年層は四%をカット。平均五%の削減となる。四十歳係長のモデルケースでは、年収が約三二万円減ることとなる表1.2参照)

表1.2鳥取県職員給与引き下げのモデルケース

現行

引き下げ後

給料

4.420.800

4.199.760

扶養手当

336.000

336.000

期末手当

1.538.002

1.461.101

勤勉手当

466.026

442.724

年収計

6.760.828

6.439.585

出所:「朝日新聞」2002年41日付、脇坂 明『日本型ワークシェアリング』PHP新書、2002年、135頁より。

給与カットで浮くと見込まれる費用は、三年間で約一〇〇億円。このうち三九億円は、六年間で約二二〇人の職員採用に充てる。新たに採用した職員は、小学校低学年で三〇人学級を実施するための職員であったり、虐待を受けた子供が入所する児童養護施設に配置される心理判定員であったりと、手簿だった教育・福祉分野に重点的に振り向けた。

さらに、「県雇用機会創出支援基金」を創設する。三〇億円の基金をもとに、若者やリストラなどで職を失った人を新たに雇用する事業所に一人当たり三〇万円、情報処理産業など成長が見込まれる産業なら一人七〇万円を助成する。残る三〇億円は財政再建に回す。

ここで問題点が浮かんで来る。臨時職員なら、人件費は雇用期間だけの負担で済む。しかし、正規職員の場合は人件費の一層の切り詰めをしない限り財政負担は膨らみ続ける。

三年間の時間限措置では使える財源に限界がある。公務員給与が比較的高い鳥取県でさえ、労使交渉は難航したという。財政に苦しむ地方自治体がどのような財源活用を実施していくか、公共部門の行動に対しても注目したい。

2.2  民間企業の動き

JAM型ワークシェアリング

つぎに民間企業のケースを見よう。機械・金属産業の労相組合でつくっているJAMは、一日の労働時間の短縮一時間につき、一日あたりの基本給の五%程度の減額を認める「JAM型ワークシェアリング」の導入に取り組むことを決めた。これは労働界では注目されているものである。

JAM型ワークシェアリングは、例えば八時間の所定労働時間を七時間に短縮した場合、短縮した一時間につき六〇%支払われると五%の減額になるという計算である。また同時に、実施期間中は会社は希望退職の募集をしない、減額を退職金や一時間に反映させない、といった条件をつけている。

このJAM傘下のN社は二〇〇二年二月「就労時間短縮勤務制度」の導入について労使合意した。所定労働時間を七時間四十分から六時間四十分にして基本賃金を六%程度カットする。

②本格的に導入するS

大手電気メーカーのS社は二〇〇二年四月からの本格的なワークシェアリング制度の導入に向けて、二〇〇二年二月ワークシェアリングの制度化を確認した(以下、「週間労働ニーズ」)。

S社は、これまで仕事量の急減のときはグループ内の再配置を最優先に対応してきた。しかし、再配置ではスキルの大転換が求められることが多いうえ、グループ企業の雇用吸収も容易でなくなってきている。そのため二〇〇一年八月、労使共同の「雇用システム革新プロジェクト」を設置し、その中の一つの委員会としてワークシェアリング委員会を設けた。

ワークシェアリングを導入できる部署は、(一)外部からの就労者を削減、(二)要員再配置の努力をした、(三)要員数と仕事量に乖離、(四)中長期にわたり生産の回復がない、という条件をすべて満たすという基準を設けた。在籍人員が一〇%減とか今後六ヶ月にわたって回復が見込めないなどの詳しい適用基準のため、実施対象の主体は製造現場になると思われる。

実施形態は、一日当たりの労働時間短縮と月当たりの労働日数削減の二通りである。前者のケースは最大二五分短縮、後者のケースは最大五日の休日増である。賃金は基本給が際だ八〇%の水準に減額される。ただ、税・会社保険料の影響のため、手取りはそれほど減らない見込みである。基本給に連動した手当などは比例的に減額されるが、退職金は従来どおりの対応である。実施期間は、六ヶ月から最大三年である。具体的な実施形態などは労組支部と事業場が協議して決定するが、本論文執筆時点で、まだ正式に導入を決定した事業場はない。

子会社へも導入される予定であり、いずれも課長以上の管理職を除く三万人の会社員が対象となっている。今後は部単位で実施が可能かどうかを判断し、最終的には三五の事業部ごとに導入するかどうかを検討するという。労働時間を短縮して仕事を分かち合うワークシェアリングは、一般に時間単位で勤務につく生産現場に向いているとされる。S社の試みは現場の従業員のみならず、技術系社員や事務職も含まれるところが新しい点といえる。

同じく大手電機メーカーのH社は、二〇〇一年十一月より半導体製造の三工場に限ってそれまでの四班三交替制に切り替えた。班ごとの人数は変わらないため、労働時間は約二割減り、賃金も一割程度低下した。H社は半導体工場以外にも家電や電力関係の工場を持つが、「短時間労働になじむのは半導体工場だけ」とする。電力関係の工場では発電機の製造を独自技術を持った熟練工が手がけることが多い。こうした熟練工の仕事は他者が代わることができない、というのである。「ものづくりの技術」を受け継ぐ現場では仕事の分かち合いは難しい。

③日野自動車の事例

日野自動車は前述のとおり、人員整理を行わずに人件費を削減するために、社員の労働時間を短縮する手法をとった。だが、同社では早々に短時間勤務は生産現場に向かないと判断した。その理由は極力在庫を持たずに生産を行う「ジャスト・イン・タイム」方式にあった。工場に短時間勤務を導入すれば稼働時間もその分短くなる。同社の工場は主に完成車の組立作業を担っており、疎の部品の七-八割は外注していたのである。つまり、工場の稼動時間を変更すれば改めて部品メーカーと生産計画を擦り合わせなければならず、膨大な手間が発生する。すべての下請け企業を巻き込むことは不可能だと判断したのである。結局、同社では九九年六月から十ヶ月間実施した短時間勤務は、対象を直接生産にかかわらない五十五歳以上のホワイトカラー組合員約二五〇人に限定したのである。

日本的な集団主義というメンタリティから、ワークシェアリングは日本で受け入れられやすいと思いがちである。しかし、熟練の問題や下請けをまきこんだ日本の生産システムには、ワークシェアリングを簡単には導入できないという要素も含まれている。

④長期休業制度を用いるF

大手電機メーカーF社は従業員を長期間休ませ、不況期でも雇用を維持する方式を盛り込んだワークシェアリング制度を導入する。

同社は二〇〇一年秋に国内外で二万人という大規模な人員削減を発表した。その対象は国内社員においてはわずか一割。IT不況で業績が悪化するなか、固定費の圧縮は緊急課題である。そのなかで「雇用維持」と「人件費圧縮」という相反する目標をいかに実現させるかである。F社の経営側は「交替勤務制の変更」と「長期休業」を組合わせるというワークシェアリングを立案した。

これは、四班二交替の勤務体制を六班三交替に変更し、一班当たり労働時間を一二時間から八時間と三割短縮させるものである。その分賃金も減らす。さらに、半導体市況の悪化時期は数ヶ月単位、、年単位で工場従業員に長期休業の導入は例がない。対象となるのは半導体を製造する工場の従業員四〇〇〇-五〇〇〇人(全社員の約一割)である。

長期休業を実施するのはあくまで半導体部門で、需要が底にある特定期間だけとし、ベースは交替勤務の変更としている。組合側は経営側の雇用維持の姿勢を評価し、ワークシェアリングの導入自体に強く反発する様子ではない。しかし、休業期間中の従業員の所得保障の調整は難航しているかもしれない。

⑤副業によるワークシェアリングの推進

同じく電機メーカーO社は二〇〇二年九月をめどに約八〇〇〇人の全従業員を対象に就業規則で禁じてきた兼業(副業)を認め、既存の仕事を分け合うワークシェア鯉伊具を推進する。希望者にはグループの人材派遣会社を通じて勤務先を紹介し、所得の減少分を補ってもらうこととする。

ワークシェアリングの適用を希望する従業員一日当たり労働時間を八時間から五―六時間に短縮、賃金も時給ベースで二割ほど減る。その空いた時間を副業を行って補填してもらうおである。対象は生産・技術部門の従業員が中心となる見通しである。

外国の企業では副業を認めるところもあるようだ。企業の有効な雇用維持策として今後、企業では雇用維持型のワークシェアリングになっているが、社会全体でのワークシェアリング(雇用創出型)にはならない。タイプの違いを認識することの重要性がここでもわかる。

⑥多様就業型導入で生産効率アップ

これまでの例は「緊急避難型」ワークシェアリングを導入した企業の事例がほとんどであったが、「多様就業促進型」のワークシェアリングを導入し、生産効率を上げた企業もある。

新潟県にある精密バネ製造大手のA社では、月の労働時間を減らし、全体の賃金コストを下げることで結果的に仕事を分かち合うワークシェアリングを導入した。

同社では休日や勤務時間の月平均計一六六時間の配分は従業員が自分の裁量で決める、という制度を導入した。残業は原則的に認められていないが、限られた時間で生産個数が多いほど賃金が増えるという成果主義の賃金制度である。

朝八時から深夜一時までのうち、従業員は自分が働きたい時間を選んで日程を組む。作業の合間に保育園に子供を迎えに行ったり、月前半に集中的働いて後半は週休五日にしたりするケースもあるのだが、新制度導入後の生産効率は一・六倍にアップしたという。

このA社の事例は「多様就業促進型」のワークシェアリングが経営側のニーズである「コストを削減しつつ生産効率を落とさない」ことと、労働者側のニーズである「個人のライらコースにあった働き方を選択する」が同時に成立するものとして貴重な事例である。

ただ、このようなワークシェアリングを導入するには、労働時間や労働日が異なる多様な働き方を可能にする人事管理システムの構築が不可欠となる。そのため企業の人事管理システムは、ワークシェアリングにおいて大きなインパクトを受けることとなろう。

いくつかの事例でみてきたように、現在行われているワークシェアリングは、緊急避難的なものが多い。ただ、緊急避難的ワークシェアリングであれ、短時間の仕事で人を配置するためには、どうすればよいかということを具体的に話し合っているわけだから、多様就業タイプのワークシェアリングに繋がる可能性は十分存在する。このことを第四章で見ていこう。

第4章 日本型ワークシェアリングの課題と展望

第1節 ワークシェアリング導入に当たっての課題

 実際始ったワークシェアリングの事例をいくつか見た。これらを参考にしながら、ワークシェアリング導入に当たっての課題を、ワークシェアリングに関する調査研究会の報告書を参照していながら述べてみたい。

1.1 労使の合意形成と意識改革の必要性

 ワークシェアリングの導入にあたっては、負担の分かち合いが必要であり、制度の目的・効果について十分に議論し共通認識を持つことが重要である。

 雇用維持型においては、賃金が時間短縮割合の分だけ減少するのかしないのかが最も労使間で意見が分かれるところであるが、優先すべき事項について認識し、労使間で負担を分かち合うべく十分の議論がなされるべきであろう。

 また、多様就業促進型においては、その導入が進んだ場合、労働者と企業の関係(取引)が、これまでとは異なる可能性もある。多様就業促進型は、労働者には自らの生涯職業生活の設計、能力開発に自己責任を求められることになりそうである。そして企業には(これがある意味で前提条件でもあるが)画一的な雇用管理の見直しが要求される。

1.2 労働生産性の向上

 ワークシェアリングが成功するには、どの程度、労働生産性の向上を図ることができるかが重要である。前にも言ったように、時間短縮しても同じアウトプットが出せるほど労働生産性が向上すると、ワークシェアリングにはつながらない。ただそういった杞憂よりも、まず時間短縮による生産性の低下が問題である。

 企業に対するアンケート調査結果でも、生産性や従業員の士気の低下、責任の所在が曖昧になること、人事労務管理が複雑になることがわーシェアリングの短所として挙げられる。

その反面、ワークシェアリングの長所として生産性が向上する、従業員の士気が向上するといった回答も多い。

労使において、職務範囲や職務責任の所在の明確化、組織体制の見直しなど、労働生産性向上のための創意工夫を行う余地は十分ある。

1.3 職種・仕事ごとの設定

仕事の成果は一定の能力を一定の時間投入することによって生み出される。定型的な業務を繰り返すような仕事では、成果には労働者の能力よりも労働時間が相対的に大きく影響する。そのため、時間当たり賃金の設定が難しくなくワークシェアリングがやりやすい側面をもつ。

一方、創造性や判断力が重視される職種においては、仕事の成果には、時間より能力が大きく影響する。こうした職種については、時間当たり賃金を個人ごとに設定していくことは困難である。アンケート調査結果でも、企業・勤労者ともに、雇用維持型ワークシェアリングについて、「本人の能力の違いにかかわらず一律の扱いを行うことの不公平感」を指摘している。

ただ、成果で図っていこうという動きがある。実際はプロセスを中心にした発揮能力であるが、これであれば、それほど困難でないかもしれない。たとえば、年収1000万の仕事を2名で分けるというやり方である。次節で述べるジョブシェアリングをさすが、成果に基づくワークシェアリングである。これが500万円ずつ払っている二名の仕事を足したものよりも市場価値の高い仕事をすればよいわけである。その可能性は十分ありうるし、人事管理も煩雑ではないであろう。

1.4 処遇格差の解消

ワークシェアリングの導入を推進した時に、勤務時間数異なるのみで、パートタイムとフルタイムの間に職務内容に違いはないケースもあろう。この場合、処遇の決定方式や水準について両者の間のバランスを取ることが必要である。これについては、処遇格差を解消していく必要があることは言うまでもない。また、現在、パートタイム従業員については、社会保険の適用、配偶者はその雇用されている企業から受け取る配偶者手当の支給制限等を考慮し、年収が一定額以下に収まるように就業調整している実態が見られる。これらの制度については、世帯単位から個人単位に切り替えていくなど、必要に応じて見直しを行う必要がある。

第2節 日本型ワークシェアリングの展望

2.1 日本人のいびつな働き方

これまで見てきたワータシェアリングのタイプは短期と長期で区別することができる。ドイツやフランスのアプローチは当面の大量失業を防ぐ政策であり、「短期的」であるといえる。一方、オランダモデルやアメリカを中心とした「ファミリーフレンドリー施策」(以下、「ファミレ」と略す)によるワークシェアリングは、家族のあり方や働き方の変化まで視野に入れた制度の普及を狙っている「長期的」なものだといえる。

現在、日本では高失業率が続いている。しかし、一方で出生率の低下が続き、数十年後には労働力不足が懸念されている。とすると、高齢者であれ、女性であれ、その労働力を有効に活用しなければならない。このような状況から勘案すると、当面は緊急避難型ワータシェアリングで雇用を維持する必要があっても、将来的には多様就業促進型のワークシェアリングでないといけないわけである。

ところが現在の主婦の感覚は、「何だ、時間給800円のパートの仕事か」という感じで、特に大卒の専業主婦はそのようなパートタイム軽視の傾向が強い。また、高齢者の場合も、それまで重要な仕事をやってきているにもかかわらず、60歳になると単純な仕事、たとえば駐車場係のような仕事しかなくなってしまうことが多いのである。

また男性の場合でも、たとえば就職して五、六年といった時期に、半年間だけ大学院へ行って更に専門的な勉強がしたい、あるいは短時間勤務して、残りの時間を資格試験の勉強に当てたいという人がいるかもしれない。ところが短時間勤務制度は前例がなく、新しく設けることもないとなれば、その人は仕事をあきらめざるを得ない。これは会社にとって大きな人材の喪失であろう。このときに、もし短時間勤務で、なおかつ生産性が落ちないような形にし、それなりの処遇もつけるといったシステムが構築されていれば、有為な人材を失わずにすむわけである。その意味で、第一章でみた第三のタイプの多様就業促進型システムというのは、日本の競争力の源である人材とか技能を有効に活用できるワークシェアリングということができる。21世紀の人事労務管理システムのあるべき姿というのは、この多様就業型のワークシェアリングだと思うのである。日本は人材育成に関しては、トータルとしては諸外国に比べて一段も二段も進んでいる。そうした日本のこれまでの経験を踏まえ、オランダなどの知恵を借りて、日本独自の雇用を確保していくための枠組みを作っていくべきであろう。

今は雇用問題が厳しい、何とかしなくてはいけないからといって、緊急避難タイプでのワークシェアリングだけで終わるのはあまりにももったいない。

生産性の低下を懸念する声もあるが、これからは少子高齢化が進み、右肩上がりの成長は到底見込めない。そのような時代の流れの中で、これからはむしろ多様な働き方を選べるようにするほうが人材が集まり、企業が活性化するのではないだろうか。ワークシェアリングの普及に対する阻害要因は残業の恒常化と、パートタイマーと正社員の賃金格差の大きさである、という指摘が多い。実際のところ、現在の企業の仕事は、残業を前提に業務が設計されている。また、パートタイマーと正社員の賃金格差が欧州に比べて大きい。この二つが完全には無理としても少なくとも是正されなければ、ワークシェアリングは進展しない。日本人「働きすぎ」論はあまりにもステレオタイプだが、失業による自殺者が出る一方で、過労死する人が絶えないことは、やはり日本人の働き方はいびつであるといわざるを得ない。

失業増の対策としての緊急避難的なワークシェアリングは不可欠であり、更なる議論を進めるべきであるが、性別や年齢に関係なく能力を発揮できる活力ある社会を構築するための方法論も、あわせて議論していくべきではないか。活力ある日本の労働市場の構築のために、今こそ日本は多様就業型ワークシェアリングを検討すべきであると考える。

2.2 雇用調整助成金にワークシェアリングを

ワークシェアリングを緊急避難的に推進する際、「雇用調整助成金制度」を活用することができる。同制度は企業や事業所が景気低迷や産業構造の変化に応じて一時就業、従業員の教育訓練、出向などをする際に休業中や教育訓練中の賃金を一部助成する制度である。企業が事業を縮小するときに従業員の解雇に踏み切るのを予防する措置として、厚生労働省の前身である労働省がオイルショック後の1975年に創設した。

この財源は企業が支払う雇用保険料である。この金額は休業などに対しては1年間百日まで休業手当相当額の3分の2(大企業の場合は2分の1)が助成される。なお、教育訓練の場合は訓練費として一人当たり1200円が支給される。また、一年以内に復帰する出向に対しては、出向元で負担した賃金の3分の2(大企業の場合は2分の1)が助成される。支給に当たっては一定の基準を満たす必要があるが、近年まで指定業種という限定があった。しかし2001年10月、法定改正され、指定業種以外の企業でも、一定の基準を満たせば休業手当が受給できるようになった。

同制度はオイルショックの経験から、景気の落ち込みで一時的に人余り状態になった企業を支え、景気が回復して技能を持つ労働者が必要となるまで雇用を維持してもらうことを目的に創設された。この制度に対しては、実際には構造不況に陥った衰退産業の生命維持装置になっているとの批判が強まっている。賃金助成を受けた企業が立ち直らなければ助成金は問題の先送りでしかないからであり、経営努力をしない企業ほどこういう制度に飛びついてしまうという側面もあろう。一方、諸外国からは、同制度は雇用を守るよい制度である、日本の経営者がなるべく従業員の雇用を守ろうとしてきたのは、終身雇用慣行に加えてこの制度があったからであると、プラスの評価をしている。また国内においても、長年かけて育成・蓄積してきた従業員の技能を確保し、日本経済全体の競争力を維持するうえで効果があるという評価もある。更には、失業者が増えないよう、社会不安の抑制に役立っているという考え方もある。

このように同制度は、短期的には従業員の労働日数・労働時間を少なくする、または出向させることにより雇用を確保しつつ企業・事業所内でワークシェアリングを推進する一手段として活用されている。しかし、長期的には、従業員が確固たるスキルや知識を習得し、多様な就業形態で働くことを可能とする機会を得るための支援策の一つとして捉えることもできるのである。

「働き方」を変えていく可能性を重視して、長期的視野にたったワークシェアリングを実現していくためにこの制度を活用すべきである。政策としては、休業・訓練・出向のほかに、ワークシェアリングを行ったケースも雇用調整助成金を受給しやすいようにしたらよいのではないか。雇用保険財政の観点からも失業者が多く出れば多くの失業給付を必要とするので、それよりは財政面からも好ましいといえよう。

2.3 正社員とパートタイマーの処遇格差を解消すべし

就業意識の多様化の中で、フルタイムであっても拘束性の少ない働き方を希望する層も増えている。これまでのような正社員かパートタイマーかという二者択一ではなく、より拘束性の少ないフルタイムの働き方とそれに応じた雇用保険保障や処遇の組み合わせが「第三の選択肢」としてあれば、多様化した労働者のニーズにも合致し、企業にとって雇用管理の柔軟性を高めることにもなる。

他方、パートタイマーであっても基幹的な役割を果たしている層も増えている。これらについては要求されている役割と処遇のギャップがそのモラール低下に結びつく懸念も大きい。前記のようなフルタイムグループが中間形態に位置づけられるならば、これらに近い役割を果たす基幹的パートタイマーについても、同じ枠組みの中に位置づけ、パートかフルかにこだわらず、できるだけ統一的な雇用保障・処遇の仕組みを作っていくことが重要と考えられる。

このように従来のフルタイム正社員とパート非正社員の間に「中間形態」を形成するなど、できるだけ「連続的な仕組み」を作っていくことが、企業と働く側の双方がもとめている「柔軟で多様な働き方の実現」のための第一条件であると考えられる。

2.4 「世帯」ではなく「個人」を単位とする処遇へ

こうした多元的なシステムが有効に機能するためには、それぞれの働き方が納得して選択されることが必要であり、それが可能となるためには、仕事とそれに対する処遇との関係において公平性が確保されていることが重要である。大きな方向として、いわば生計費などの「必要に応じた処遇」に評価のウェイトの変化の流れが見られる。

「働き」を評価する要素として、現時点だけでなく中長期的な観点からの評価も当然含まれるが、ウェイトのおき方としては、年功的な運用から「職務」やその遂行の「能力・成果」で客観的に評価・処遇する方向に徐々に変化しつつある。こうした処遇制度の変化の流れは、基幹的な仕事を担いつつある、パートタイマーにとって、その働きに応じた処遇がなされるという意味で望ましい方向である。ただ、正社員とパートタイマーとの処遇格差の背景には、「家計の支えてとしての正社員」と「家計補助的なパートタイマー」といった「必要に応じた処遇」の発想が根強く存在する。しかし、共働き世帯が多数派となる中で、正社員だからといって世帯全体の生活を支えなければならないというのは必ずしも平均的な姿でなくなりつつある。このように、賃金についての考え方が「世帯単位」から「個人単位」へと変化していくことが、家族のあり方が多様化するなかで、様々な労働者が納得して働けるための条件になりつつある。

2.5 ライフステージに応じて働く仕組みづくり

多元化したシステムの中で、フルとパート、補助的役割と基幹的役割など、ライフステージに応じて、柔軟に行き来のできる連続的な仕組みが重要である。

それには、まず、内部労働市場の中でのフルとパートの行き来の可能性を広げることである。たとえば、子育て期は短時間で働き、一段落したところでまたフルに転換することになり、継続的に能力を発揮することができる。現在、「子育て・介護休業法」により、一歳に満たない子(2002年4月1日より3歳未満に引き上げられる)を養育する労働者で育児休業をしないものに関して事業主が講ずるべき措置の選択肢の一つとして、短時間的勤務制度を設けることが規定されており、約3割の企業が制度を導入している。育児以外の理由による場合も含め、フルとパートの行き来の可能性を広げることは、わが国において十分に評価されているとはいえない「短時間で働くこと」の有効性を様々な工夫によって高める契機になる。加えて、高齢者社会における職業生活から引退へのソフトランディングを図るためにも、フルタイム勤務から短時間勤務形態への円滑な移行の仕組みを構築していくことが今後の重要な課題である。

このように内部労働市場の中で、本格的な短時間勤務が一つの働き方として広がってくれば、外部労働市場からの参入による働き方にも違った評価がなされる可能性が出てくる。たとえば、子育て後に再び入職するパートタイマーが、当初は補助的な仕事だとしても、経験を重ねる中で、短時間のまま、更にはフルタイムで、もっと基幹的な役割を果たしたいと考えよう。その意欲、能力に応じて活躍の機会やそれに見合った処遇が選択できる仕組みが重要であるが、図5-1のような内部労働市場における変革は、同時にこうした選択の仕組みの可能性を広げるものである。

パートタイマーの正社員登用制度のある事業所は約3分の1であるが、必ずしも登用人数は労働時間が長くなるためである。ゆえに図5-1のような短時間正社員が望まれる。フルとパートの行き来の可能性が広がることは、社会全体としては、短時間で働く層の拡大を通じて、雇用機会を増やすことになる。いわゆる多様就業型ワークシェアリングの実現である。また、女性にとって、子育てしながら勤め続けられ、更に子育てのために一旦退職しても再び活躍の道が開かれているという状況が、子供を生み育てることの安心感をもたらすことで、少子化そのものを抑える可能性も期待される。

2.6 日本におけるワークシェアリングの最近の動き

 一昨年年末以降、ワークシャリングの議論が活発になり、2009年に入ると、日本経団連の御手洗会長が「ワークシェアリングを検討する時期に来たのでは」と発言した。2009年度春闘が大詰めを迎える時、やっと日本型ワークシェアリング導入を促進する素地が固まってきたのである。

2.6.1 日本でもようやくワークシェアリングを促進

ワークシェアリングは、ヨーロッパ、中でもオランダでの導入例が成功を収めたとして知られている。日本でも、雇用問題が深刻化してくると、その都度ワークシェアリング導入論が浮上する。しかし、そのたびに「日本では定着しないのでは」と言われ制度化されないまま、再び昨年来の雇用不安の時期を迎えたというわけである。

 今回の深刻な雇用情勢の急激な悪化に対処するため、日本社会に合う「日本型ワークシェアリング」を導入することになったのである。

 日本型ワークシェアリングは、2009年3月23日にも政府と日本経団連(経営側)、連合(労働者側)の3者が合意すると新聞各紙で報じられた。「雇用安定・創出の実現に向けた政労使合意」案、すなわち緊急雇用対策案に、ワークシェアリング促進の文言が盛り込まれたのである。

2.6.2 「休業」「残業削減」「出向」で仕事をシェア

 緊急雇用対策の合意案では、日本型ワークシェアリングを政府・経営側・労働者が強力に推進すると盛り込まれている。

 企業は、雇用維持は社会的責任と認識し、雇用維持のために最大限の努力をすると確認した。具体的手段として、休業や残業の削減、出向等が、労使合意の下で実施されることになる。

 ワークシェアリング導入に伴い企業の都合で休業した場合には、企業は、労働者に対し賃金の一定割合以上の休業手当を支給することになる。そこで政府は休業手当の一部を助成する「雇用調整助成金」を拡充し、企業のワークシェアを支援する。政府の予算額は、3月19日舛添要一厚生労働大臣の記者会見によれば、追加雇用対策の規模は1兆5000億円程度とのことである。2009年度の補正予算で対応すると思われる。

2.6.3  労働者も協力すべし

 一方、労働者もただセーフティネットを受けるだけではなく、企業が経営環境を維持することに協力しなければならない。企業が雇用をできる限り守れるよう、日常の業務の中でコスト削減に取り組むなど努力する必要がある。利益を確保する小さな積み重ねが、企業が雇用を維持することにつながるからである。

 企業がワークシェアリングを導入するにあったては、労使の合意が前提となる。労働側も経済環境を鑑み自社の厳しい状況を踏まえ、経営側とワークシェ導入の議論が交わすことになるのは必至であろう。

2.6.4  すでにワークシェア導入している事例

 このように、日本では定着しないといわれ続け、やっとのことで導入が進みそうな素地が固まったワークシャリングである。実は、正社員に対して既にワークシェアリングを導入、または導入を決定している日本企業もあるのである。

 たとえば、昨年来、減産と業績悪化、雇用問題と話題が絶えない、トヨタ自動車である。2009年4月がら、英国トヨタがワークシェアに踏み切ると発表されている。具体的な手段は労働時間の短縮と賃金の1割引き下げで、フルタイムで働く労働者に適用する。トヨタ自動車では2月に、米国のゼネラル・モーターズとの合弁工場、ケンタッキー州やテキサス州など6工場での労働時間短縮と、賃金の1割カットを行っている。

 国内の事例では、富士通の半導体子会社が国内工場の製造部門の正社員に対し、労働時間を3分の2にし賃金を引き下げした。マツダでは、大きく報道された派遣社員や期間従業員の削減だけでなく、正社員の労働時間と給与を減らしてこの難局を乗り切ろうとしている。

ただ、ワークシェアリング導入をめぐっては、労使間に温度差があるのも事実である。経営側は、休業日設定で労務費削減につなげたい意見だが、組合は「賃下げにつながりかねず、慎重に議論すべき」とのスタンスである。雇用を維持し、企業も生き残るための労使の模索が続いている。

終章:

 本論文の中で述べてきたワークシェアリングは、雇用危機を打開する手段として、これまでに何回となく人々の話題にのぼってきた。しかし、それはあくまでも「諸外国の経験」であり、日本と異なる社会経済環境の中でのことと理解されてきたようだ。その後の景気回復により、「喉もと過ぎれば熱さを忘れる」が如く忘れ去られてきたという感もあろう。

 それに対して今回は本物だという声がある。経済が成熟化する中で、グローバル競争にさらされ、既存分野の縮小撤退が進む一方で、なかなか新規事業の芽が見いだせていない。雇用創出の必要性という呼び声も大きが、実効性のあるような具体的政策に乏しいのが現状である。欧州でも同じような閉塞感漂う社会経済の突破口としてワークシェアリングが

採り入れられてきた。日本でオランダの取組への関心が高くになっているのも、経済再生のモデルとしての期待感からであろう。

 いずれにせよ日本でも、ワークシェアリングの具体的実践への道は始まった。その端緒は緊急避難であり、当面の事態を克服する手段としての導入である。しかし、これまでの雇用調整のように、循環的局面での一時措置とか、発展分野への誘導や転換の準備といった性格は持ちにくい。いわば出口なき取組になってしまう危険性すらあるのだ。

 つまり、今日的な意味でのワークシェアリングは、緊急対策としての位置づけだけでなく、次への展望を切り開くものでなければならない。だからこそ、その契機を生む優秀な人材の流出を防ぐ一方、安心して企業再生への知恵と行動が引き出せるよう、雇用を維持するという視点が重要なのである。「守り」ではない「攻め」の発想に立つことが今求められているのだといえる。

 ワークシェアリングによって時間短縮が図られることは、硬直的な勤務体制にも発想転換を迫るはずである。ワークスタイルと生活スタイルとのバランスを取ることや、仕事に対する個人の裁量度を高め自律的な働き方を促すことによって、かえって、生産性も向上させられるのではないだろうか。時間を中心に働き方の改革を図ることで、「攻め」の姿勢で取り組むことを従業員にも浸透させることになる。週60時間以上働く人が急増している一方、多くの失業者を抱えるという矛盾に気がつくこと、それがワークシェアリングの出発の原点である。

 ワークシェアリングによって増えるのは、パートタイムばかりで、正社員はむしろ減る一方ではないかという声も聞かれる。確かに人々が求めるのはある程度の水準の収入が確保できるような働き方であり、中途半端な形は困るというのもあろう。しかし、今人々の働き方のニーズが多様化しているのも事実であるし、短時間の働き方によって生活ニーズとのバランスが保てるという人も多い。大事なのはワークシェアリングによって、働き方の選択肢が多様化することであり、そのことによって全体の雇用機会が増えていくことなのだ。

 しかし、働き方の多様化の前提としては、日本の職場における長時間労働、残業ないしサービス残業、有給休暇の不消化などの問題を解決することである。そうしなければ、日本型ワークシェアリング自体の実現もなかなか難しいと思われる。

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樋口美雄『日本型ワークシェアリングの実践』生産性出版、2002年12月

兵庫県労働局『平成13年 業務概要』2001年

日本労働研究機構『フランスの労働事情』2001年

前田信彦「オランダにおけるパートタイム労働の動向と家庭生活の変化」『海外社会保障情報』一二四卷

松村文人『現代フランスの労使関係』ミネルヴァ書房,2002年

宮本みち子『若者が社会的「弱者」に転落する』洋泉社、2002年

善積京子「家族―多様な生活の実態」(二文字理明・伊藤正純編著『スウェーデンに見る個性重視社会』桜井書店)2002年

脇坂 明『日本型ワークシェアリング』PHP新書、2002年

脇坂 明「育児休暇制度職場利用されるための条件課題」『日本労働研究雑誌』 200年6月

ワークシェアリング研究会編『ワークシェアリング―雇用創出と働き方の変革を目指して』社会経済生産性本部、2001年

ワークシェアリングに関する調査研究会『ワークシェアリングに関する調査研究報告書(平成12年度厚生労働省委託調査)』三井情報開発総合研究所、2001年

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  • 论高职英语教育基础性与实用性的有机结
  • 论高职幼师双语口语技能的培养
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  • 基于学习风格的英语学习多媒体课件包
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  • 英語学習におけるノートテイキング方略
  • 強化学習と決定木によるエージェント
  • エージェントの行動様式の学習法
  • 学習エージェントとは
  • 強化学習と決定木学習による汎用エージ
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  • 对学生英语上下义语言知识与写作技能的
  • 英汉词汇文化内涵及其翻译
  • 论大学英语教学改革之建构主义理论指导
  • 国内影片片名翻译研究综观及现状
  • 平成13年度経済情報学科特殊研究
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  • 英文论文任务书
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  • 無資格者無免許・対策関
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  • gastric cancer:ade
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  • 翻译认知论
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  • 以英若诚对“Death of A S
  • 论沈宝基的翻译理论与实践
  • 论语域与文学作品中人物会话的翻译
  • 浅析翻译活动中的文化失衡
  • 谈《傲慢与偏见》的语言艺术
  • 论语言结构差异对翻译实效性的影响
  • 英语传递小句的认知诠释
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  • 資源としてのマグロと日本の動向
  • 揚湯試験結果の概要温泉水の水質の概要
  • 計量史研究執筆要綱 
  • 日中友好中国大学生日本語科卒業論文
  • 제 7 장
  • 전자&
  • 現代國民論、現代皇室論
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  • 津田的中國觀與亞洲觀
  • 津田思想的形成
  • 反思台灣與中國的津田左右吉研究
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  • 韩国泡菜文化和中国的咸菜文化
  • 무한&#
  • 수시 2
  • 韩流流向世界
  • 무설&#
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  • 사망&#
  • Expression and Bio
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  • 论女性主义翻译观
  • 健康食品の有効性
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  • 日语拒否的特点及表达
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  • 韩汉反身代词“??”和“自己”的对比
  • 韩汉量词句法语义功能对比
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  • 浅谈日语中片假名的应用
  • 土木学会論文集の完全版下印刷用和文原
  • 英语语调重音研究综述
  • 英汉语言结构的差异与翻译
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  • 外语语音偏误认知心理分析
  • 读格林童话《小精灵》有感
  • “新世纪”版高中英语新课教学导入方法
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  • 中加大学生拒绝言语行为的实证研究
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  • 英语水平对非英语专业研究生语言学习策
  • 英语教学中的文化渗透
  • 中学教师自主学习角色的一项实证研究
  • 叶维廉后期比较文学思想和中诗英译的传
  • 钟玲中诗英译的传递研究和传递实践述评
  • 建构主义和高校德育
  • 论习语的词法地位
  • 广告英语中的修辞欣赏
  • 从奢侈品消费看王尔德及其唯美主义
  • 论隐喻的逆向性
  • 企盼和谐的两性关系——以劳伦斯小说《
  • 论高等教育大众化进程中的大学英语教学
  • 试论《三四郎》的三维世界
  • 李渔的小说批评与曲亭马琴的读本作品
  • 浅谈中国英语的表现特征及存在意义
  • 湖南常德农村中学英语教师师资发展状况
  • 海明威的《向瑞士致敬》和菲茨杰拉德
  • 围绕课文综合训练,培养学生的写作能力
  • 指称晦暗性现象透析
  • 西部地区中学生英语阅读习惯调查
  • 论隐喻的逆向性
  • 认知体验与翻译
  • 试析英诗汉译中的创造性
  • 言语交际中模糊语浅议
  • 认知体验与翻译
  • 关于翻译中的词汇空缺现象及翻译对策
  • 从互文性视角解读《红楼梦》两译本宗教
  • 从目的论看中英动物文化词喻体意象的翻
  • 高校英语语法教学的几点思考
  • 高校体艺类学生外语学习兴趣与动机的研
  • 大学英语自主学习存在的问题及“指导性
  • 从接受美学看文学翻译的纯语言观
  • 《红楼梦》两种英译本中服饰内容的翻译
  • 法语对英语的影响
  • 影响中美抱怨实施策略的情景因素分析
  • 代写需求表
  • 跨文化交际中称赞语的特点及语言表达模
  • 实现文化教育主导外语教育之研究
  • 试论读者变量对英语阅读的影响
  • 从文化的角度看英语词汇中的性别歧视现
  • 合作原则在外贸函电翻译中的运用
  • Default 词义探悉
  • 从图示理论看英汉翻译中的误译
  • 许国璋等外语界老前辈所接受的双语教学
  • “provide” 和 “suppl
  • 由英汉句法对比看长句翻译中的词序处理
  • 1000名富翁的13条致富秘诀中英对
  • 英语中18大激励人心的谚语中英对照
  • 反省女性自身 寻求两性和谐---评
  • 浅析翻译中的“信”
  • 集体迫害范式解读《阿里》
  • 横看成岭侧成峰-从美学批评角度解读《
  • 福柯的话语权及规范化理论解读《最蓝的
  • 播客技术在大学英语教学中的应用
  • 如何在山区中等专业学校英语课堂实施分
  • 奈达与格特翻译理论比较研究
  • 语篇内外的衔接与连贯
  • Economic globaliza
  • 用概念整合理论分析翻译中不同思维模式
  • 英语新闻语篇汉译过程中衔接手段的转换
  • 对易卜生戏剧创作转向的阐释
  • 动词GO语义延伸的认知研究
  • 反思型教师—我国外语教师发展的有效途
  • 输入与输出在词汇学习中的动态统一关系
  • 教育实践指导双方身份认同批判性分析
  • 中英商务文本翻译异化和归化的抉择理据
  • 从艺术结构看《呼啸山庄》
  • 从儒家术语“仁”的翻译论意义的播撒
  • 论隐喻与明喻的异同及其在教学中的启示
  • 话语标记语的语用信息在英汉学习型词典
  • 论森欧外的历史小说
  • 翻译认知论 ——翻译行为本质管窥
  • 中美语文教材设计思路的比较
  • 美国写作训练的特点及思考
  • UP语义伸延的认知视角
  • 成功的关键-The Key to S
  • 杨利伟-Yang Liwei
  • 武汉一个美丽的城市
  • 对儿童来说互联网是危险的?
  • 跨文化交际教学策略与法语教学
  • 试论专业英语课程项目化改革的可行性-
  • 论沈宝基的翻译理论与实践
  • 翻译认知论——翻译行为本质管窥
  • 母爱的虚像 ——读高桥多佳子的《相似
  • 浅析英语广告语言的特点
  • 中国の株価動向分析
  • 日语拒否的特点及表达
  • 日语的敬语表现与日本人的敬语意识
  • 浅析日语中的省略现象
  • 浅谈日语中片假名的应用
  • 浅谈日语敬语的运用法
  • 浅谈日语会话能力的提高
  • ^论日语中的年轻人用语
  • 敬语使用中的禁忌
  • 关于日语中的简略化表达
  • 关于日语的委婉表达
  • The Wonderful Stru
  • Of Love(论爱情)
  • SONY Computer/Notb
  • 从加拿大汉语教学现状看海外汉语教学
  • MLA格式简要规范
  • 浅析翻译类学生理解下的招聘广告
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  • June 19,1997: Vict
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  • June 8, 1968: Robe
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  • June 6, 1984: Indi
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